「呪い」
これをどう読みますか?
わたしは「のろい」と読んでいました。
とあるときに「まじない」とも読むと知りました。

「呪い」という字が、
「私が幸せになれますように♡」と祈る「オマジナイ」と
「誰かが不幸になりますように☆」と祈る「ノロイ」と同じだなんて、
なんて面白い!

そう、「緑のペンで手紙を書くと恋が実るよ♡」とか書いてそうな、
昔の少女雑誌についていた「恋のおまじないブック♡」も
漢字で書けば「恋のお呪いブック♡」となり
なんだか急にどす黒いオーラが出てきます。

「呪」という漢字

漢字として「呪」を調べると「祝」と同義語なのだそうです。
対義語じゃないの?と思ったのですが、同義語だと書いてありました。

どちらも「兄」をもちますが、これは兄弟の「兄」ではなく
「膝まづき祈りを捧げる巫女」をかたちどったものです。
「呪」の「くちへん」は口の象形文字、
「祝」の「しめすへん」は「供物を置いた祭壇」をあらわすそうです。

「口」と「兄」の組み合わせについては明確な説明が見つからなかったので、
推測ですが、「膝まづき口から祈りを発すること」という感じでしょうか。
なんだか闇のなかでブツブツと念じている姿を想像します。
「祝」は供物を置いた祭壇に膝まづく巫女を想像します。

「オマジナイ」と「ノロイ」

「オマジナイもノロイも同じものなんだ」
という事実はとても面白くて、陽も陰も同じなのだとか、
光も闇も同じなのだとか、人の心の明も暗も同じなのだとか、
そんなふうに感じました。

「オマジナイ」も「ノロイ」もたぶん原理は同じで、
霊的な存在のチカラを借りるとか、エーテル体に働きかけるとか、
意識の変容を促すとか、そういったものだと思います。たぶん。
「満月のお祈り」や「引き寄せの法則」もこれに近いのでしょう。

「オマジナイ」も「ノロイ」も同じものなら、
じぶんが幸せになるためのオマジナイにやっきになってる姿は
だれかにノロイをかけてやろうとやっきになってる姿と同じってことにもなるから、
見ていて恐ろしくなりますね。

「呪い」と「祝い」

また、「呪い」と「祝い」が同義語であるということについて、
漢字の成り立ちとそこに含まれた意味から考えると
「呪い」は「目的を果たすために呪詛を唱えること」で
「祝い」は「祭壇に供物を置き喜ぶこと」になるでしょうか。
「祝い」のほうの祭壇に置かれた供物は
「願いを叶えてもらうため」ではなく「感謝や報告」なのではと
「祝う」という漢字に含まれた意味から推測します。

「呪い(ノロイ)」も「呪い(オマジナイ)」も「祝い(イワイ)」も同じものなら、
だれかの不幸を祈る「呪い(ノロイ)」よりも
じぶんの幸福を祈る「呪い(オマジナイ)」よりも
だれかの幸福をともに喜ぶ「お祝い(イワイ)」のほうが、
お互いに一番幸福になれるのではと思います。