この世ってうたかたのようだね。
わたしたちのこの世界は、水のなかの泡なのかもね。
小さくて、儚くて、パチンと消える。

とかいうことを考えていたら「浮世」という言葉が気になって調べました。

浮世

「浮世」といえば「浮世絵」がパッと思いつく方も多いのではないでしょうか。
「浮世絵」といえば、パメラ・コールマン・スミスが絵画を学ぶときに多大に影響を受けています。
例えば、モチーフの輪郭線を黒ではっきり描くところなどはいかにも浮世絵らしいでしょう。
そのあたりの話はまたいずれ。

さておき今日は「浮世」の話。

「浮世」この言葉は時代とともにかなり意味が変わってきているようです。

①平安時代は「つらいことや悲しいことがたくさんあるこの世界」という意味で「憂き世」と記されていた。
②その後、仏教的思想の厭世感から「無常の世界」「仮の世界」という意味に変化した。その意味では、漢語「浮世(ふせい)」のほうが合うために「浮世」と表記されるようになってきた。
③江戸時代には、「儚い世界なら浮かれて暮らそう」という肯定的で享楽的な意味が加わった。「男女の恋情」「遊里で遊ぶ」「好色的な」といった意味、そして「当世の」「現代風の」といった意味が加わってきた。

なるほど、どの意味もありますね。
①憂いを感じる「憂き世」なのか
②かりそめの「浮世(ふせい)」なのか
③享楽に浮かれた「浮世」なのか

わたしが冒頭に書いた「うたかたのような世界」は②なのですね。
これだけさまざまな意味があると、「浮世」と記したときにどの意味で伝わるのか、考えないといけないですね。

世界

ところで、文章の随所に「世界」という言葉を散りばめておきました。
タロティストのわたしとしては、この単語を使うときには、特別な意味を込めています。

この「世界」ってなんなんだろう・・・・?

その疑問を深く考えるとき、「世界」のカードに秘められた意味に繋がってゆくでしょう。

踊る運命の女神
ふたつのバトン
ふたつの∞
四大聖獣
紡がれた輪

「浮世」とはわたしたちの生きる「現世」のこと
では「現世」はどこに「浮かんでいる」のだろう
水面に浮かぶうたかたが「この世」なら
いくつも浮かぶうたかたは「いくつものこの世」
いくつもの「この世」は水の流れによって
どこかへ運ばれ、そしていつか消える

けれど水面からうたかたがなくなることはない
おなじ水のなかから
新しいうたかたが生まれる

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